知脈

世界の分断

ジョセフ・スティグリッツ

この本のキー概念 12 件と、関連書籍を辿ることができます。

概要

グローバリゼーションの不平等を分析。r>g(資本収益率>成長率)、資本/所得比、世襲資本主義、累進資本税の必要性、クズネッツ曲線を論じる。

キー概念(12件)

本書全体を貫くメインテーマであり、スティグリッツはIMF・世界銀行・WTOが推進してきたグローバリゼーションのルール設計そのものが先進国・多国籍企業に有利に歪んでいると批判する。

スティグリッツはこの不等式をグローバリゼーション下での不平等拡大の構造的要因として取り上げ、先進国・途上国を問わず資本所有者が労働者を引き離していく現実を批判的に分析する。

スティグリッツはグローバリゼーションが競争の「機会の平等」を謳いながら、実際には資本を持つ家系が世代を超えて有利な地位を維持できる世襲的な構造を強化していると論じる。

本書では格差是正の具体的な政策手段として累進資本税の導入を提唱し、グローバルな資本逃避を防ぐには国際的な情報共有・協調課税体制が不可欠だと主張する。

本書ではこの指標をもちいて、グローバリゼーションが進むにつれて資本が所得に対して膨張してきた事実を示し、富の集中メカニズムを定量的に可視化する論拠として機能する。

スティグリッツは格差拡大の主因として市場の失敗や政治的影響力による「レント抽出」を強調し、金融セクターや大企業が政治プロセスを通じてルールを自己有利に書き換えている構図を批判する。

スティグリッツは結果の格差だけでなく、その出発点となる機会の格差——教育・医療・資本へのアクセスの差——がグローバリゼーションによって国内外で固定化されている点を問題の核心として論じる。

スティグリッツは市場の失敗が放置されたまま進んだグローバリゼーションが格差を構造化したと論じ、政府の積極的な市場介入・規制の必要性を理論的に正当化する論拠として繰り返し参照する。

本書では金融化がレント抽出の主要チャネルであり、金融危機を引き起こしながらも損失を公的負担に転嫁する非対称な構造がグローバルな不平等を深刻化させた経緯として描かれる。

スティグリッツはクズネッツ曲線が想定するような「成長すれば格差は自然に解消される」という楽観論を批判し、グローバリゼーション下では政策介入なしに曲線の右下降部分に到達しない現実を示す。

本書ではトリクルダウンが機能しなかった実証的根拠を積み上げ、この理論がグローバリゼーション推進の「物語」として意図的に利用されてきたと論じる。

本書ではこのプログラムが途上国の社会インフラを解体し、国内格差を拡大させた歴史的事例として批判的に検討され、グローバリゼーションのルールが誰の利益のために設計されていたかを問う文脈で登場する。

関連する本