利用可能性ヒューリスティック
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この概念を本でたどる
『経済は感情で動く』で「利用可能性ヒューリスティック」を読む
マッテオ・モッテルリーニ
本書では、メディア報道やドラマチックな事件が人のリスク認知を歪めるメカニズムとして解説。実際の統計とかけ離れた恐怖や安心感が生まれる理由を説明する。
この本とのつながりを見る思い出しやすさを確率の手がかりにする
利用可能性ヒューリスティックとは、ある出来事の例や場面がどれだけ容易に思い浮かぶかを、その出来事の頻度や確率を推測する手がかりにする判断の近道である。すぐ思い出せることは起こりやすく、頻繁に起きるように見え、思い出しにくいことは少なく見える。判断を素早くする一方で、記憶に残りやすい出来事と実際の頻度が一致しないと誤差が生まれる。
報道と経験が印象を変える
大きな事故や劇的な病気のニュースを続けて見ると、その危険が身近に増えたように感じる。自分や知人の経験も同じ働きをする。これは報道が必ず誤っているという話ではなく、目立つ事例が統計上の分母を代表するとは限らないという問題である。危険を判断するときは、思い出した事例の数ではなく、期間・母数・比較対象を確かめる必要がある。
1970年代の三つの近道
TverskyとKahnemanは、ヒューリスティックを、限られた情報で判断する経済的な手段として整理した。利用可能性はその一つで、代表性やアンカリングとは異なる経路から誤差を生む。近道そのものが悪いのではなく、通常は役立つ仕組みが特定の環境で系統的な偏りになる点が重要である。
確率と物語を分ける
利用可能性ヒューリスティックに対抗するには、印象を消そうとするより、物語と統計を別の欄に置くとよい。まず「何が思い浮かんだか」を記録し、次に基準率や長期のデータを探す。自分の最初の説明に合う事例だけを集めると、確認バイアスが重なって判断が固定される。
概念が残す問い
すべての判断に完全な統計を用意することはできない。限られた時間に近道が必要な場面もある。だからこそ、重大な意思決定ほど「思い出しやすさ以外の手がかりはあるか」と問うことが有効になる。『経済は感情で動く』の身近な例は、確率を知識として覚えるだけでなく、印象に引っ張られる自分の読み方を観察する入口になる。
概念ネットワーク
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この概念を扱う本(1冊)
マッテオ・モッテルリーニ
本書では、メディア報道やドラマチックな事件が人のリスク認知を歪めるメカニズムとして解説。実際の統計とかけ離れた恐怖や安心感が生まれる理由を説明する。
隣の概念から、別の本へ
知脈でいま「利用可能性ヒューリスティック」に結びついているのは『経済は感情で動く』の1冊です。 ただしこの本のなかで隣り合う概念をたどると、別の本へ出られます。