知脈

道徳の系譜

フリードリヒ・ニーチェ

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概要

道徳の起源を系譜学的に分析。系譜学、ヘドニズム、主権者、権威主義的パーソナリティの批判、反復と運命、価値の転倒を論じる。

キー概念(12件)

『道徳の系譜』の中心概念。ニーチェはユダヤ=キリスト教道徳の起源をルサンチマンに見出し、奴隷道徳がいかにして貴族道徳を転倒させたかを系譜学的に分析する。

貴族道徳における「良い/悪い(gut/schlecht)」が、奴隷道徳における「善い/悪い(gut/böse)」へと転換される過程として詳述される。ルサンチマンがこの転倒の原動力となる。

本書のタイトルそのもの。ニーチェは「善悪の起源は超越的ではなく、歴史的・心理的・権力的な文脈の産物だ」と論じるためにこの方法を用いる。

第一論文の核をなす対比。ニーチェはキリスト教道徳を奴隷道徳の勝利として批判し、歴史における「道徳的反乱」のメカニズムを明らかにする。

第三論文全体のテーマ。ニーチェは禁欲主義的理想が「意味への意志」の屈折した表現であり、ニヒリズムの一形態であると論じる。

第二論文で詳述される。国家成立により人間が自らの本能を抑圧せざるを得なくなった結果、「内面」が生まれ、良心の疚しさという人間特有の苦しみが生じたとされる。

第二論文で「記憶」「約束」「責任」の起源と連動して論じられる。道徳的義務感は超越的なものでなく、物質的・法的な債務関係から派生したとされる。

第二論文冒頭で提起される。「人間をいかにして約束できる動物に育てるか」という問いが、良心・罰・道徳の系譜全体の出発点となる。

本書では禁欲主義的理想の崩壊後に訪れる帰結として位置づけられる。「神の死」以後、人間はいかなる価値を根拠に生きるかという問いへの布石となる。

『道徳の系譜』では前景に出ないが、主人道徳の肯定性・禁欲主義的理想の解釈・ルサンチマン批判の全てを支える背景理論として機能している。

第一・第三論文に渡って登場する。ニーチェは聖職者を批判しながらも、その「意味付与の天才」としての役割を評価する両義的な分析を行う。

能動的な肯定(主人道徳)と対比させて論じられる。ニーチェは近代道徳の多くがこの反動的感情に基礎を置くと批判する。

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