知脈

意識の探求

クリストフ・コッホ

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概要

意識の神経科学的探求。クオリア、意識のハードプロブレム、統合情報理論、神経相関、グローバルワークスペース理論、意識のイグニッションを論じる。

キー概念(13件)

コッホはクリックとの協働を振り返りつつ、NCCを特定することが意識の科学的解明への実験的アプローチだと主張し、視覚系を中心とした研究成果を詳述する。

本書はこのハードプロブレムを神経科学の立場から正面から扱い、完全な解答には至らないとしながらも、経験的アプローチによって迫れる問いとして議論の枠組みを設定する。

コッホはクオリアを意識研究の核心的難問として位置づけ、なぜ神経活動が主観的な感覚を生み出すのかという問いを出発点に議論を展開する。

コッホはトノーニとの共同研究を通じてIITを支持し、意識の神経相関を超えた理論的基盤として本書で詳しく論じる。Φという指標が意識の「量」を測れると主張する。

本書はV1・V4・MTなどの視覚野から始まり、前頭前野に至る経路を丁寧に追いながら、どの段階で視覚情報が「意識に上る」のかを論じる。コッホの研究の主戦場がここにある。

本書ではIITと並ぶ主要な意識理論として取り上げられ、前頭前野や頭頂葉を含む広域ネットワークが意識的アクセスを可能にするメカニズムとして検討される。

本書でコッホはイグニッションをグローバルワークスペース理論の神経実装として位置づけ、閾下刺激と閾上刺激の比較実験から意識と無意識の境界を論じる。

コッホはクリストフ・コッホとナオツグ・ツォーの共同研究などを援用しながら、注意と意識を独立した変数として扱うことの重要性を強調し、両者の神経相関の違いを分析する。

コッホは双眼視野闘争を意識の神経相関を分離する鍵実験として重視し、知覚が切り替わる際にどの神経集団が活動するかを分析することで意識の基盤を探る。

本書では意識の範囲を確定するために前意識処理との境界が繰り返し検討され、マスキング実験や注意の研究を通じて「意識なき知覚」の神経的実態が論じられる。

本書でコッホはIITの帰結として汎心論的な方向性に傾き、意識は生物に限定されず情報統合を持つシステム全般に程度の差こそあれ存在すると示唆する。

コッホはゾンビ論証を意識のハードプロブレムの鋭い表現として紹介しつつ、自身は神経科学的アプローチで意識を説明できると信じる立場からこの問いに向き合う。

コッホはリベット実験とその後継研究を取り上げ、自由意志の感覚が脳活動より遅れて生じるという知見が意識の因果的役割にどう影響するかを批判的に検討する。

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