マルクスを再読する
的場昭弘
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概要
マルクス経済学の現代的再解釈。商品フェティシズム、剰余価値、資本の有機的構成、資本の本源的蓄積、労働価値説を解説。
キー概念(12件)
本書の理論的基盤として位置づけられ、現代資本主義においてもこの原理が貫徹していることを的場は論証する。デジタル経済や金融資本への適用可能性も検討される。
本書では絶対的剰余価値(労働時間延長)と相対的剰余価値(生産性向上)の区別を丁寧に解説し、現代のプラットフォーム労働やギグエコノミーにおける搾取の新形態との接続を試みる。
的場は現代の消費社会・ブランド崇拝・金融商品への熱狂を商品フェティシズムの現代的形態として読み解き、マルクスの分析の射程の広さを示す。
的場はこれを過去の歴史に留まらず、グローバル化・新自由主義・構造調整プログラムの下で「継続する本源的蓄積」として現代世界に反復されていると論じる。
本書ではAI・ロボット化が急速に進む現代において、有機的構成の高度化がかつてない速度で進行しており、これがマルクスの予見した矛盾を深刻化させると的場は指摘する。
的場はマルクスの初期思想から晩期『資本論』への連続性を重視し、疎外論が商品フェティシズム論へと深化していく過程を再解釈することで、マルクス思想の統一性を示す。
本書では現代のデジタル財(ソフトウェア・情報)が使用価値と交換価値の乖離を極端に拡大していることを指摘し、マルクスの価値形態論の現代的有効性を検証する。
的場は現代の低成長・マイナス金利・金融化をこの法則の現代的発現として読み解き、資本が利潤率低下を金融投機によって「回避」しようとするメカニズムを論じる。
本書ではポスト工業社会・情報経済の出現が「新しい生産様式」の萌芽なのか、それとも資本主義的生産様式の延長に過ぎないのかを的場が問い直す。
的場はプラットフォーム企業・フリーランサー・インフルエンサー経済を分析し、搾取の形態が賃金労働から多様な「自発的」労働提供へと変容していることを示す。
GAFAMに代表されるプラットフォーム独占を的場はこの法則の典型的帰結として位置づけ、マルクスが19世紀に予測した集積・集中の傾向がデジタル経済で加速していると論じる。
的場は再生産論を用いて、現代の金融資本や国家の財政政策が資本主義的再生産を維持するために果たす役割を分析し、「資本論の現代化」の試みとして提示する。