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記号論への招待

池上嘉彦

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概要

記号論の基礎概念を分かりやすく解説。ラング/パロール、言語記号の恣意性、タイプとトークン、意味と形式の関係を丁寧に説明する。

キー概念(13件)

本書の中核をなす概念区分として詳述される。ラングという共有された体系があってはじめてパロールとしての発話が意味をもつという、体系と実践の関係を解き明かす。

記号論の出発点として、言語記号の恣意性を丁寧に説明する。なぜ「木」を「き」と呼ぶのかに必然性はなく、この恣意性が記号体系全般の理解への橋渡しとなる。

「言語記号とは何か」という問いを解く基本図式として提示される。恣意性の議論はシニフィアンとシニフィエの関係を媒介に展開され、記号論全体の語彙を形成する。

本書全体のテーマであり、言語学から出発して文化・社会現象の意味解析へと展開する記号論の射程を示す導入として位置づけられる。

記号体系の全体を貫くテーマとして扱われる。言語構造の説明において、意味と形式がいかに分かちがたく結びついているかを示し、記号論的分析の核心を構成する。

ラング=差異の体系という命題として展開される。記号に固有の実体的意味があるのではなく、体系内の位置関係・差異が意味を産み出すという構造主義的発想の基礎として示される。

記号の同一性と多様性を論じる際に用いられる。「記号」とは何を単位として数えるのかという問いに答え、抽象的体系(ラング)と具体的発話(パロール)の区別を補強する概念として機能する。

ソシュールとは異なるパース系の記号論の視点として紹介される。言語記号だけでなく視覚記号・自然現象も記号として分析できることを示す枠組みとして活用される。

記号が単なる指示を超えて文化的・イデオロギー的意味を帯びる仕組みを説明するために使われる。意味の多層性と社会的文脈の重要性を論じる鍵概念として機能する。

コミュニケーションの成立条件を論じる文脈で導入される。コードの共有がなければ記号は意味を伝えず、社会的・文化的な文脈が意味生成に不可欠であることを示す。

記号体系の分析方法論として紹介される。歴史的変化より体系の構造を優先するソシュール言語学の視点を確立し、記号論的アプローチの特性を定義する概念として機能する。

記号が実際のコミュニケーション場面でいかに機能するかを論じる枠組みとして導入される。言語の多様な機能(指示的・詩的・メタ言語的など)を体系的に整理するために活用される。

記号について語る行為そのものの自己言及的な性格を説明するために用いられる。記号論・言語学という学問が記号を研究するための記号体系を必要とするという、学問の自己反省的な側面を示す。

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