知脈

第3の案

スティーブン・R・コヴィー

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概要

Win-Winを超える第3の解決策を探る。Win-Winの考え方、相乗効果、主体的であること、終わりを思い描くことから始める、重要事項優先を論じる。

キー概念(12件)

本書のタイトルであり中心概念。コヴィーは「私の案」でも「あなたの案」でもない第3の案を見つけることが、家族・職場・社会のあらゆる対立を解消する鍵だと主張する。

第3の案は相乗効果なしには実現しない、とコヴィーは論じる。異なる視点・強みを持つ人々が深く協働することで初めて、誰も単独では思いつかなかった解決策が生まれる。

本書は家族の争い、労使交渉、国家間紛争まで多様なスケールの対立事例を取り上げ、いずれも第3の案アプローチで解消できると示す。対立そのものを「相乗効果への招待」として再定義している。

本書ではWin-Winを「出発点」として位置づけ、それを超えた第3の案こそが真の解決策だと論じる。Win-Winは方向性として正しいが、まだ二者の枠内にとどまっているという批判的検討がなされる。

第3の案を共創するには相手の立場を真に理解することが前提となる。本書ではまず相手に「あなたを理解したい」と伝え、深く聴くことが対立解消プロセスの核心とされる。

コヴィーは第3の案を見つけるための前提条件として主体性を挙げる。被害者意識や反応的な姿勢では対立を超えられず、自らが変化の起点となる姿勢が不可欠だと説く。

本書では「私が正しくあなたが間違っている」という二項対立のパラダイム自体を疑うことが第3の案発見の出発点とされる。問題の枠組みを変えることで、解決策の空間が広がる。

本書では、第3の案を探す対話においても「何のためにこの問題を解決するのか」という目的の共有が先決だとされる。目的が一致すれば、手段の対立は相互補完に変わりうる。

第3の案は一方が提案し他方が承認するのではなく、双方が対話を通じて一緒に形成していくものだとコヴィーは強調する。プロセスそのものが信頼と関係性を構築する。

本書では対立の多くがメンタルモデルの衝突から生じると分析される。第3の案を見つけるには、まず自分と相手それぞれのメンタルモデルを明示化し問い直すことが必要とされる。

コヴィーは対立解消においても同原則を適用し、目先の勝ち負けではなく長期的な関係と成果(重要事項)に焦点を当てることで第3の案が見えてくると論じる。

コヴィーは「自分の案を守りながら相手の案も尊重する」という姿勢が第3の案発見に不可欠だと論じる。自己を失わずに他者を受け入れることが、本書の倫理的土台となっている。

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