知脈

意識する心

デイヴィッド・チャーマーズ

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概要

意識のハードプロブレムを提唱した哲学書。クオリア、グローバルワークスペース理論、意識のイグニッション、現象と物自体の関係を論じる。

キー概念(13件)

本書の中心的テーゼ。チャーマーズはこの問いを「イージープロブレム(行動・機能の説明)」と明確に区別し、現在の物理主義的アプローチでは原理的に解決不可能だと論じる。

チャーマーズはクオリアを意識のハードプロブレムの核心として位置づけ、機能主義的説明がクオリアを説明できないことを様々な思考実験(哲学的ゾンビ、逆クオリア)によって示す。

チャーマーズは現象的意識をアクセス意識(情報処理・報告可能性)と区別し、前者こそがハードプロブレムの対象であると位置づける。本書の議論全体の出発点となる。

本書でチャーマーズは「哲学的ゾンビは概念的に一貫して想像可能であり、それゆえ物理的性質は現象的意識を論理的に含意しない」と論じ、物理主義への強力な反論として展開する。

チャーマーズが本書で提唱する独自の立場。物理主義も古典的二元論も退け、意識は自然の基本的特徴として物理法則に付随しながらも還元されないと論じる。

本書でチャーマーズは機能主義がイージープロブレムには有効である一方、現象的意識の説明には原理的に不十分だと論じる。どれだけ精緻な機能的記述も「感じ」を生み出す理由を示せない。

チャーマーズは説明のギャップを意識のハードプロブレムの認識論的表れとして位置づけ、単なる説明の困難ではなく存在論的な問題——物理的事実が現象的事実を論理的に含意しないこと——の反映だと論じる。

チャーマーズは自然主義的二元論の帰結として随伴現象主義に近い立場を認めつつも、意識の因果的役割をどう位置づけるかという難問と格闘し、批判的に検討する。

チャーマーズは論理的付随性(ア・プリオリに導出可能)と自然的付随性(経験的法則として成立)を区別し、意識は後者にすぎず前者の意味での物理的説明は不可能だと論じる。

チャーマーズはこの理論をアクセス意識の優れた説明として評価しつつも、なぜグローバルな情報放送が現象的意識を伴うのかという問いには答えられないと指摘する。

チャーマーズは本書で汎心論を奇妙ではあるが論理的に一貫した立場として真剣に検討し、自然主義的二元論の延長上にある可能性として示唆する。後の著作でより積極的に採用することになる立場の萌芽が見られる。

チャーマーズはカントの枠組みを参照しながら、物理科学が記述するのは世界の構造的・関係的側面にすぎず、内在的性質(そのうちの一つが意識かもしれない)は捉えられないと論じる。

本書でチャーマーズは神経科学的知見と哲学的問題の接点として参照し、イグニッションのような神経相関が発見されても、それがなぜ主観的経験と結びつくのかは依然未解決だと指摘する。

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